この章ではTCP/IPでノードの識別子として用いられるIPアドレスに関する基礎知識とその設定を学びます。
The Internetは、ARPANETと呼ばれる4つのノードを接続した小さなネットワークから発展し、今では全世界を接続する巨大なコンピューターネットワークのことを指します。
インターネットの構造は、根本的にはARPANETの時代と変化しておらず、ネットワークとネットワークが接続されることで形成されています。
数台の機器が構成する小さなネットワーク同士が接続し、組織内のネットワークを構成し、組織同士のネットワークが接続することで地域のネットワークが形成されます。 そして地域のネットワーク同士が接続され、最終的には世界中を結ぶThe Internetが形作られます。 このように、インターネットは階層的な構造を持っています。
TCP/IP(Internet protocol suite)は、インターネットを含む多くのコンピューターネットワークに置いて標準的に用いられる通信プロトコルのセットです。
IPアドレスはTCP/IPのInternet Protocolにおいて各ノードを識別するために用いられる識別子で、今回はIPv4を使用します。
IPv4アドレスは32bitの数値で表され、ネットワークを指定するネットワーク部(上位)とそのネットワーク内の機器を指定するホスト部(下位)に分けられます。
通常は32bitを8bitずつにドット(.)
で区切って、10進法表記したものが用いられ、上位から何bitがネットワーク部にあたるかを/
の後に表記します(この値をサブネットマスクという)。
例:
172.16.254.1 = 10101100.00010000.11111110.00000001
172.16.254.1/24 = 10101100.00010000.11111110(←ここまでネットワーク部).00000001
[INFO]
- ホスト部がすべて0のアドレスはネットワークアドレスとして予約済み
- ホスト部がすべて1のアドレスはブロードキャストアドレスとして予約済み
- 127.0.0.1はループバックアドレスとして予約済み
割り当てられたネットワークの構成についてはdocsを参照してください。
ヒント1
ping
はICMPを使用したネットワークの診断プログラムです。
ICMPは「エラー通知」や「制御メッセージ」を転送するためのプロトコルで、IP上で動作します。
そのため、IP上での通信が行える必要があります。
直接接続されたNIC同士は互いを認識できますが、初期状態ではIPアドレスが割り振られていないことに注意しましょう。
ヒント2
最初に決める必要があるのは、rEXのeth10とr1のeth12に割り振るネットワークの範囲です。
この場合、ネットワークの大きさは.0/30
で良いでしょう。
ヒント3
「VyOS IPアドレス 設定」などで検索してみると良いでしょう。