add post - 2025-11

Author: mnishiguchi

public/20250919-e7c96c6caae15f16fbbf.md public/20250919-let-rpi-speak-japanese.mdpublic/20250919-e7c96c6caae15f16fbbf.md renamed to public/20250919-let-rpi-speak-japanese.md

@@ -0,0 +1,106 @@
+---
+title: mise で fwup をインストールする
+tags:
+  - asdf
+  - Nerves
+  - mise
+  - fwup
+private: false
+updated_at: '2025-11-09T18:39:33+09:00'
+id: d9481735ca8f31cdb22e
+organization_url_name: fukuokaex
+slide: false
+ignorePublish: false
+---
+## はじめに
+
+[Nerves](https://www.nerves-project.org/) のファームウェア更新ツール [fwup](https://github.com/fwup-home/fwup) を、[mise](https://mise.jdx.dev/) を使ってインストールした手順の記録です。
+
+https://github.com/fwup-home/fwup
+
+筆者の環境は Debian 系ですが、他の OS でも基本的な流れは同じです。
+
+## Installation
+
+まず、fwup の公式ドキュメントでは mise（または asdf）を利用したインストール方法が案内されています。
+
+> If you're already using [asdf](https://asdf-vm.com/) or [mise-en-place](https://mise.jdx.dev/), install `fwup` via [asdf-fwup](https://github.com/fwup-home/asdf-fwup). This will allow you to manage `fwup` versions in your software projects via `.tool-versions` files.
+>
+> — [fwup README](https://github.com/fwup-home/fwup)
+
+> asdf または mise-en-place を使用している場合は、[asdf-fwup](https://github.com/fwup-home/asdf-fwup) 経由で `fwup` をインストールできます。
+> `.tool-versions` ファイルを通じて、プロジェクト単位で fwup のバージョン管理が可能になります。
+
+mise では `.tool-versions` により、プロジェクトごとに異なるバージョンを簡単に切り替えられます。
+
+## asdf-fwup プラグインについて
+
+fwup 用の asdf / mise プラグインは [asdf-fwup](https://github.com/fwup-home/asdf-fwup) です。
+
+> This is the [fwup](https://github.com/fwup-home/fwup) plugin for the [asdf](https://asdf-vm.com/) and [mise-en-place](https://mise.jdx.dev/) package managers.
+>
+> — [asdf-fwup README](https://github.com/fwup-home/asdf-fwup)
+
+> これは、asdf および mise-en-place 向けの fwup プラグインです。
+
+mise は asdf のプラグインエコシステムをそのまま利用できます。
+
+> mise can use asdf's plugin ecosystem under the hood for backward compatibility.
+>
+> — [mise plugins](https://mise.jdx.dev/plugins.html#asdf-legacy-plugins)
+
+> mise は下位互換のために、asdf のプラグインエコシステムを内部的に利用できます。
+
+そのため、asdf 用プラグインをそのまま mise で扱えます。
+
+## 依存パッケージについて
+
+各 OS に応じて必要な依存パッケージを事前にインストールしてください。
+
+例として、Debian 系の場合の例は以下のとおりです。
+
+```bash
+sudo apt-get install autoconf pkg-config help2man libconfuse-dev libarchive-dev
+```
+
+macOS や他の OS を使用している場合は、README の[「Dependencies」セクション](https://github.com/fwup-home/asdf-fwup#dependencies)
+を参照してください。
+
+## mise 経由でのインストール
+
+プラグインを追加して、fwup をインストールします。
+
+```bash
+mise plugin install fwup https://github.com/fwup-home/asdf-fwup.git
+mise use --global fwup@latest
+```
+
+これで mise 管理下に fwup が導入され、グローバル環境で利用できるようになります。
+
+## 動作確認
+
+インストールが完了したら、バージョンを確認します。
+
+```bash
+fwup --version
+
+mise ls
+```
+
+バージョンが表示されればインストール成功です。
+
+## 補足：Nerves 1.12 での改善点
+
+以前は、asdf や mise 経由でインストールした fwup を使用すると `mix burn` 実行時に権限エラーが発生することがあり、[Nerves の Issue #1088](https://github.com/nerves-project/nerves/issues/1088) で報告されました。
+
+https://github.com/nerves-project/nerves/issues/1088
+
+その後、Nerves 1.12 で改良され、asdfでインストールしたfwupでも安全に `mix burn` できるようになりました 🎉
+
+https://hexdocs.pm/nerves/changelog.html#v1-12-0-2025-11-01
+
+## おわりに
+
+fwup は Nerves プロジェクトでのファームウェア更新や SD カード書き込みに欠かせないツールです。
+mise と組み合わせることで、プロジェクト単位のバージョン管理をシンプルに実現できます。
+また、Nerves 1.12 以降では mise 経由の fwup も安全に利用可能になりました。

public/20251109-fwup-installation-mise.md

@@ -0,0 +1,57 @@
+---
+title: Elixir で Open JTalk を使い、IEx に日本語をしゃべらせてみた
+tags:
+  - mecab
+  - Elixir
+  - 日本語
+  - OpenJTalk
+  - iex
+private: false
+updated_at: '2025-11-09T14:27:34+09:00'
+id: becc3c1fa35958921965
+organization_url_name: fukuokaex
+slide: false
+ignorePublish: false
+---
+
+## はじめに
+
+IEx で日本語音声を発声させてみます。
+
+## TL;DR
+
+まず、Elixir がインストールされていることを確認します。
+
+```bash:ターミナル 
+$ elixir --version
+Erlang/OTP 28 [erts-16.1.1] [source] [64-bit] [smp:20:20] [ds:20:20:10] [async-threads:1] [jit:ns]
+
+Elixir 1.19.2 (compiled with Erlang/OTP 28)
+```
+
+IEx（Elixir の対話シェル）を起動します。
+
+```bash:ターミナル
+$ iex
+```
+
+そして、日本語をしゃべらせてみましょう。
+
+```elixir:IEx
+iex> Mix.install([{:open_jtalk_elixir, "~> 0.3"}])
+
+iex> OpenJTalk.say("元氣ですかあ 、元氣が有れば、なんでもできる!")
+```
+
+デモ動画: [![Watch the demo](https://dev-to-uploads.s3.amazonaws.com/uploads/articles/f9bdkpv5fbp7mi2c7vlp.png)](https://github.com/user-attachments/assets/69d2579c-2d6f-47e5-bcfc-16b955ee8df0)
+
+## おわりに
+
+たったこれだけで、日本語の発声ができます。
+
+このライブラリは、友人と組み込み開発に取り組んでいたときに生まれたものです。
+よかったら、ラズパイにも日本語を喋らせてみてください。
+
+https://qiita.com/mnishiguchi/items/e7c96c6caae15f16fbbf
+
+https://github.com/piyopiyoex/open_jtalk_elixir

public/20251109-let-iex-speak-japanese.md

@@ -0,0 +1,57 @@
+---
+title: mix do で複数の Mix タスクを一度に実行する
+tags:
+  - Elixir
+  - mix
+  - Nerves
+private: false
+updated_at: '2025-11-10T09:52:33+09:00'
+id: 5bf18f56df4ba648e256
+organization_url_name: fukuokaex
+slide: false
+ignorePublish: false
+---
+## はじめに
+
+Elixir の `mix do` コマンドは、複数の Mix タスクを順番に実行できる便利な機能です。たとえば Nerves 開発環境をセットアップするとき、いちいち複数のコマンドを叩く代わりに、1 行でまとめて実行できます。
+
+## 使い方
+
+公式ドキュメント: [Mix.Tasks.Do — HexDocs](https://hexdocs.pm/mix/Mix.Tasks.Do.html)
+
+`mix do` の構文は次の通りです。
+
+```bash
+mix do <task1>, <task2>, <task3>
+```
+
+または、区切りに `+` を使うこともできます。
+
+```bash
+mix do <task1> + <task2> + <task3>
+```
+
+`do` の後に指定したタスクが、順番に実行されます。
+
+## 実例: Nerves 環境の初期設定
+
+Nerves を使う際、まず Hex と Rebar をインストールし、その後 `nerves_bootstrap` アーカイブを入れる必要があります。
+`mix do` を使えば、この 3 ステップをまとめて次のように実行できます。
+
+```bash
+mix do local.hex --force + local.rebar --force + archive.install hex nerves_bootstrap --force
+```
+
+これで、Erlang/Elixir を入れた直後でも一発で環境が整います。
+
+## 実例: Phoenix 環境の初期設定
+
+Elixir をインストールした直後に Phoenix を使いたい場合も、`mix do` を使えば次のようにまとめられます。
+
+```bash
+mix do local.hex --force + local.rebar --force + archive.install hex phx_new --force
+```
+
+## おわりに
+
+`mix do` は、Nerves や Phoenix の初期環境設定に限らず、複数のタスクを順に流したいときに重宝します。

public/20251110-5bf18f56df4ba648e256.md

@@ -0,0 +1,118 @@
+---
+title: grep と rg を並行して学ぶ
+tags:
+  - less
+  - grep
+  - alias
+  - ripgrep
+private: false
+updated_at: '2025-11-13T17:47:36+09:00'
+id: 5553274160b6fe926ac2
+organization_url_name: haw
+slide: false
+ignorePublish: false
+---
+## はじめに
+
+ある日ふと、「`rg` って `grep` の短縮コマンドみたいでいい名前だな」と思いました。たとえば `ls -al` に `la` のエイリアスを付けるような感覚に思えます。
+
+もちろん実際には、`rg`（ripgrep）は `grep` のエイリアスではなく、まったく別のプログラムです。とはいえ操作感はほぼ同じで、しかも高速です。
+
+さらに `rg` はデフォルトで
+
+* ディレクトリを再帰的に検索
+* `.gitignore` を自動で尊重
+* 隠しファイルや不要なフォルダ（例：`node_modules/`）を除外
+
+という挙動になっており、コードベース全体に対する日常的な検索に向いています。
+
+最近まで自分は `grep`/`rg` をそこまで使いこなせていませんでしたので、この機会に共通の基本オプションと使い方を整理しておきます。
+
+https://github.com/BurntSushi/ripgrep
+
+## 共通で使える便利なオプション
+
+| オプション                         | 意味                | よくある使い方                           |
+| ----------------------------- | ----------------- | --------------------------------- |
+| `-i`, `--ignore-case`         | 大文字小文字を区別しない      | `error` / `Error` / `ERROR` を一括検索 |
+| `-w`, `--word-regexp`         | 単語全体で一致           | `User` のみ（`SuperUser` は除外）        |
+| `-F`, `--fixed-strings`       | 文字列リテラル一致（正規表現無効） | `a.b[c]` のような記号を含む検索              |
+| `-v`, `--invert-match`        | 不一致行を表示           | ノイズ行の除外                           |
+| `-n`, `--line-number`         | 行番号を表示            | 該当行を特定しエディターでジャンプ                 |
+| `-c`, `--count`               | ファイルごとの一致数        | TODO / FIXME の件数把握                |
+| `-l`, `--files-with-matches`  | 一致があるファイル名のみ      | 参照元ファイルの特定                        |
+| `-L`, `--files-without-match` | 一致がないファイル名のみ      | ライセンス表記欠如の検出など                    |
+| `-o`, `--only-matching`       | 一致部分のみ表示          | ログから URL / ID を抽出                 |
+| `-A N`, `--after-context=N`   | 一致行の後N行を表示        | エラー直後の流れを確認                       |
+| `-B N`, `--before-context=N`  | 一致行の前N行を表示        | 直前の処理を確認                          |
+| `-C N`, `--context=N`         | 一致行の前後N行を表示       | 文脈をまとめて確認                         |
+
+
+## よく使う基本パターン
+
+```bash
+# プロジェクト全体で TODO を検索（再帰）
+rg "TODO"
+grep -R "TODO" .
+
+# 大文字小文字を無視
+rg -i "error"
+grep -R -i "error" .
+
+# 単語 "User" のみ（AdminUser などは除外）
+rg -w "User"
+grep -R -w "User" .
+
+# 正規表現を無効化（記号を含む文字列に便利）
+rg -F "a.b[c]"
+grep -R -F "a.b[c]" .
+
+# 一致しない行のみ表示（ノイズ除去）
+rg -v "healthcheck" log/app.log
+grep -v "healthcheck" log/app.log
+
+# 行番号を表示
+rg -n "class User"
+grep -R -n "class User" .
+
+# ファイルごとの一致数
+rg -c "FIXME"
+grep -R -c "FIXME" .
+
+# 一致があるファイル名のみ
+rg -l "ENV['API_KEY']"
+grep -R -l "ENV['API_KEY']" .
+
+# 一致がないファイル名のみ（不足の検出）
+rg -L "SPDX-License-Identifier"
+grep -R -L "SPDX-License-Identifier" .
+
+# 一致部分のみ表示（URL や ID 抽出）
+rg -o "http[s]?://[^ ]+"
+grep -o -E "http[s]?://[^ ]+"
+
+# 前後の文脈つきで検索（例：前後 3 行）
+rg -C 3 "PG::Error" log/
+grep -R -C 3 "PG::Error" log/
+```
+
+## less で快適にスクロール（`less -R`）
+
+* `less -R` は色を保持して出力をそのまま表示します。
+* パイプに流すときは、検索側で常に色を出す設定にします。
+
+```bash
+# ripgrep
+rg --color=always "TODO" | less -R
+
+# grep
+grep -R --color=always "TODO" . | less -R
+```
+
+## さいごに
+
+`-i`, `-w`, `-n`, `-c`, `-l`, `-L`, `-o`, `-A/B/C`, `-F`, `-v` などの共通オプションを覚えておけば、`grep` と `rg` を同じ感覚で使い回せます。
+
+日常の開発では高速で便利な `rg` をつかいつつ、必要に応じて`grep`も扱えるように備えておく。それがいちばん現実的で快適な使い方だと感じています。
+
+他にも各コマンド固有の機能がありますが、あえて覚えようとはせず、適宜ドキュメントを参照する方針でいます。