[BUG] RL78 CCRLにてxEventGroupBitsFromISRが動作しない

Describe the bug

RL78にてxEventGroupBitsFromISR APIが正常に動作しない。
具体的にはportYIELD_FROM_ISR()が正常動作しないようだ。
正しい手順は「BRK実行→スタック退避→コンテキストスイッチ→スタックロード」ですが、実装ミスによりコンテキストスイッチだけやっているようです。従って元に戻れず動けない。

FreeRTOS-Kernel/portable/Renesas/RL78G2x/portmacro.h

Line 106 in ab7af2e

#define portYIELD_FROM_ISR( xHigherPriorityTaskWoken ) if( xHigherPriorityTaskWoken ) vTaskSwitchContext()

■誤り（現時点の記述）
#define portYIELD_FROM_ISR( xHigherPriorityTaskWoken ) if( xHigherPriorityTaskWoken ) vTaskSwitchContext()

■対策（修正）
RX600v2 の実装に合わせ、以下に変更することで直る。

#define portYIELD_FROM_ISR( x ) if( x != pdFALSE ) portYIELD()

[ShunichiroNakamura]

• 現時点の記述はAssembly ISR wrapperの実装を前提としたものであり、誤りという訳ではない。
  • Assembly ISR wrapperの詳細は、FreeRTOS.org: FreeRTOS for the Renesas RL78 MCU Using the IAR compilerを参照。
• 一方で、下記の理由により、Renesas製のツールやソフトウェアにとってAssembly ISR wrapperは少々都合が悪い。
  • 割り込み関連の汎用的な仕組みをRenesasが予め用意することが少々難しい。
    • Assembly ISR wrapperは割り込みハンドラごとに個別に作成する必要があるため、Assembly ISR wrapperの実装はユーザアプリケーションに依存してしまうため。
    • 汎用的な仕組み（Assembly ISR wrapper関数実行時に割り込みハンドラ関数を引数として渡すことで、割り込みハンドラごとにAssembly ISR wrapperを作成しなくて済む）を実装しようと思えば可能だが、port層にその機構を追加実装する必要がある。
  • ドライバソフトをAssembly ISR wrapper向けに改造することがサポート観点で少々難しい。
    • ユーザの省力化を目的として、RenesasはFreeRTOSとRenesas製ドライバソフトを簡単に組み合わせるためのツールを提供している。
    • しかし、このドライバソフトは基本的にBaremetal環境向けに設計されており、また、ドライバソフトには割り込みハンドラがすでに実装されているため、ドライバソフトをAssembly ISR wrapper向けに改造することでRenesasサポート対象外になってしまう。
• 本家リポジトリのメンテナーと協議した結果、Assembly ISR wrapper実装の要／不要をオプション化し、ユーザ（Renesas含む）都合に合わせて選択できる仕組みを導入する方針で決定した。
  • [BUG] xEventGroupBitsFromISR API doesn't work correctly for RL78 MCU(same as No.740 Issue) FreeRTOS/FreeRTOS-Kernel#1102

[ShunichiroNakamura]

• 上記方針にて本家リポジトリに PR & マージ完了
  • [Fixed the Issue] Fixed the Issue#1102 of RL78 of the Context switch … FreeRTOS/FreeRTOS-Kernel#1157
  • V11.2.0にて反映⇒https://github.com/FreeRTOS/FreeRTOS-Kernel/blob/0adc196d4bd52a2d91102b525b0aafc1e14a2386/portable/GCC/RL78/portmacro.h#L112
• Renesas GitHubリポジトリに上記変更が反映されるまでこのIssueをOpenにしておく