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学術情報流通基盤(J-STAGE)における JATS ベース日本語縦書き学術論文(背景説明) #1922

@murata2makoto

Description

@murata2makoto

背景

本 issue は、JATS(Journal Article Tag Suite)を用いて作成され、最終的にHTMLとして Web上に公開される日本語学術論文、とくに縦書き論文の存在について説明するものです。本 issue では、日本語組版のアクセシビリティを WCAG JISでどのように扱うべきかといった規範的・設計上の議論は行いません。

JATS と HTML 公開の関係

JATSは、学術雑誌論文の構造と内容を記述するためのXMLベースの標準仕様です。JATS 文書そのものが読者に直接提示されることは通常なく、実際の運用では、JATSからHTMLや PDFなどの表示形式に変換したうえで、Web 上に公開されます。

日本では、科学技術振興機構(JST)が運営する学術情報流通基盤(J-STAGE)を中心に、JATSを用いた論文管理と HTML 公開が広く行われています。すなわち、JATS → HTMLという変換は例外的なものではなく、国内においても実運用として定着しています。

学術情報XML推進協議会(XSPA)の役割

日本国内における JATS の普及と実務運用は、公的機関のみで進められているものではありません。学術情報 XML 推進協議会(XSPA)は、学術情報の XML 化、とくに JATS に関する知識共有と実務支援を目的とした民間の協議会です。

XSPAでは、JATSの仕様解説、実装上の注意点、実際の制作フローに関する情報共有や教育活動が行われており、JATS を用いた学術論文制作に関わる出版社、印刷会社、システムベンダ等が参加しています。また、JATS の実務的な理解を目的とした解説書の刊行などを通じて、JATS を前提とした制作体制の整備を支えています。書籍『JATSがわかる 学術情報XML作成の実際』も出版しています。

このように、JATS を用いた学術論文制作と公開は、公的機関による基盤提供だけでなく、民間の実務者コミュニティによっても継続的に支えられている体制となっています。

普及を支える体制

JATSの採用と運用は、単一の組織や個人によるものではありません。

  • 公的機関(JST)が JATSを前提とした学術情報流通を推進していること
  • 学術情報XMLに関する民間の協議会・コミュニティが、JATSの解説、教育、ノウハウ共有を行っていること
  • 人文系学術誌の制作を担う出版社・印刷会社(例えば中西印刷)が、JATSベースのワークフローを実務として支えていること

といった要素が揃っており、JATSを用いた人文系論文誌の制作と公開は、継続的に行われることが前提の体制になっています。

日本語人文系論文と縦書き

日本語の人文系分野では、縦書きで論文を執筆・編集する慣行が現在も存在します。このような人文系学術論文誌の一部は、JATS を用いて論文を管理し、最終的に HTML として Web 上に公開しています。

つまり、

  • 日本語で書かれた学術論文が
  • 縦書きとして編集され
  • JATSを経由して
  • HTMLとしてWeb配信されている

というケースは、仮想的な将来像ではなく、すでに現実に存在する Webコンテンツです。

正確な数値は把握していませんが、年間で数百件規模の縦書き HTML論文がJSTから公開されていると推定されます。 この推定は、年間およそ30誌程度の日本語人文学系学術誌がJATSを採用しており、それぞれが年間約 10 編の論文を掲載し、そのうち約半数が縦書きであるという仮定に基づくものです。

Webアクセシビリティとの関係

JATSを用いて作成され、HTMLとして公開される学術論文は、技術的・制度的にはWebコンテンツです。したがって、縦書きで記述された人文系学術論文であっても、HTMLとして配信されている以上、Webアクセシビリティに関する議論の対象に含まれます。

Webにおいて縦書きが一般的であるとは言えませんが、日本の公的機関が民間と協力して推進するJ-STAGEにおいて、縦書きの人文系学術論文がすでに数百件規模で存在すると推定されることは事実です。また、この数が今後も増加していくことは、現在の制度と運用体制から自然に想定されます。

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