関数型言語/仮想機械研究の派生として,2018年夏頃より2019年夏頃にかけて,レトロゲーム研究に着手しました. 健康維持のため,土日は座学ではなく,フィールドワークに切り替えました. 関東一円のハードオフに行き,古いゲームを漁ることにしました. ゲーム史の本も読み漁ることにしました.
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テーマリスト
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参考文献
- [1] 小山 友介: 日本デジタルゲーム産業史: ファミコン以前からスマホゲームまで, 人文書院 (2016/6/27).
- [2] 日経BP社ゲーム産業取材班: 日本ゲーム産業史 ゲームソフトの巨人たち, 日経BP社 (2016/12/20).
- [3] ブレイク・ハリス: セガvs.任天堂 ゲームの未来を変えた覇権戦争(上), 早川書房 (2017/3/25).
- [4] ブレイク・ハリス: セガvs.任天堂 ゲームの未来を変えた覇権戦争(下), 早川書房 (2017/3/25).
- [5] ダン・アッカーマン: テトリス・エフェクト―世界を惑わせたゲーム, 白揚社 (2017/11/1).
- [6] 長尾剛: テレビゲーム風雲録-インベーダーからドリームキャストまで-, 文芸春秋 (1999/6/1).
- [7] テレビゲーム・ミュージアム・プロジェクト編: 電視遊戯時代-テレビゲームの現在-, ビレッジセンター出版局 (1994/6/1)
- [8] Chris Kohler(岡真由美訳):POWER+UP-米国オタクゲーマーの記したニッポンTVゲーム興隆の軌跡-, コンピュータ・エージ社 (2005/12/1).
- [9] ミゲル・シカール: プレイ・マターズ 遊び心の哲学 (Playful Thinking), フィルムアート社 (2019/4/26).
ビデオゲーム研究記は,立命館大学や明治大学が主導している「いわゆる」ビデオゲーム研究です. レトロゲーム等の懐古主義だけでなく,商業主義全体がスコープです. 現時点では,ナムコやセガは懐古主義に分類され,フロム・ソフトウェアやCygamesは商業主義に分類されます.
ゲーム研究の手引き(文化庁)を読んだ時の簡単なまとめです.その1です.
- Part 1 ゲーム研究の全体マップ(松永伸司)
- 1.ゲーム研究の地図を作る
- ビデオゲーム研究を志す初学者への地図を提供
- ゲームデザインとゲーム研究は完全に分離はできず,重なる部分がある
- ゲーム研究とゲームスタディの中心(重心)は近い
- 本論では,2章でゲームスタディ,3章で国内の状況を説明
- 2.ゲームスタディーズの展開
- ゲームスタディは北欧の大学を中心に成立
- 当初はゲームと物語の関係性で論争(ルドロジー対ナラトロジー?)
- ハーフリアルは最初の大きな成果
- 3.日本のゲーム研究
- 日本ではビデオゲーム以前に遊びの研究
- ビデオゲームにより,子供への身体的や心理的な影響を危惧する声に対する研究
- 学術的な研究は少なく,商業的な論考が主流(堀井・田尻・中沢等)
- 90年代に日本ゲーム最盛期
- 海外の文学系ニューメディア論に追従する動きなし
- 国内ではゲーム産業論が中心に
- 00年代には人文系が中心の学会(DiGRA Japan等)ができる
- ゲーム史をまとめる動きもあり
- 1.ゲーム研究の地図を作る
その2です.
- Part 2 ゲーム研究の諸相(パート2:コラム数本)
- ドイツのゲーム研究事情(マーティン・ロート)
- ドイツでのゲーム研究を外観
- 心理学とゲーム研究(木村知宏)
- 心理学的なアプローチによるゲーム研究(ゲーム心理学)
- 国内ゲーム産業史研究の歴史・動向と展望(福田一史)
- 国内ゲーム産業史の流れ
- 次世代ゲーム戦争への注目
- その後の国内での研究中心に(産業政策的な観点)
- 「日本デジタルゲーム産業史」(小山 2016)として昇華
- 日本国内におけるゲーム批評史(井上明人)
- 国内でのゲーム批評史
- ゲームライターによる批評(ファミ通)
- 80年代以降は攻略本→ゲーム批評→オンライン化の流れ
- 文芸批評の流れ
- 国内でのゲーム批評史
- ドイツのゲーム研究事情(マーティン・ロート)
立命館大学がゲーム研究に着手した最初の頃のゲーム研究報告書に,ゲームをどう保存するかという問いがあります. ゲームはやるたびに動きが変わるので,プレイした動画を保存するのは,適さないというようなことが書いてあり,結局記録媒体自体を保存することになります. しかしながら,最近のゲーム実況等も,立派な保存活動なのかもしれないと考えるようになりました. 先日も記憶媒体を所有しているゲームのエンディングを再度見たくなり,動画を閲覧しました. ゲームが古くなればなるほどプレイすることの価値は低下していきます. どんなゲームだったのか,資料的に知るには動画がよいのかもしれません. しかも,動画作成者には,広告収入という金銭的な動機もあり,ゲーム保存という視点においても好循環が生じているのかもしれません.
これは,頭の中に保存されているものを記載するプロジェクトです. コロナ禍になり,外を散歩する機会が多くなりました. その時に,ゲーム研究について考えることが多いです. その時に考えたことのメモです. ただし,日付はメモを書いている時で考えている時ではありません.
「関数型言語/仮想機械研究 > レトロゲーム研究」を,「ゲーム研究」にシングルカットしました. 「レトロゲーム研究」から,「ゲーム研究」にスコープを拡げました. そろそろ好きなことをやろうと思い,ゲーム研究に着手しました.
文化功労者発表の時期が近づいてきました.毎年文化の日(11月3日)が発表日です.
| 受賞年 | 受賞者(分野) | 代表作 |
|---|---|---|
| 2019年 | 宮本茂氏(ゲーム) | スーパーマリオブラザーズ/ゼルダの伝説 |
| 2020年 | すぎやまこういち氏(作曲) | ドラゴンクエストシリーズ |
とゲーム関係者の受賞が続いています.ゲーム関係者枠が1名設けられた可能性が高いです.それでは,どこよりも早い受賞者予想です.
まず本命です.宮本氏でマリオ,すぎやま氏でドラクエ,と受賞が続いています.東京五輪入場曲で考えると,ドラクエの次はFinal Fantasyでした.そう考えると,坂口博信氏が有力です. もしくは,すぎやま氏は作曲と考えると,ドラクエが続く可能性もあります.その場合は,堀井雄二氏か,鳥山明氏が有力です.
次に対抗です.Final Fantasyを飛ばして,テイルズになった場合を考えてみます.テイルズは候補者を挙げるのが難しいですが,あえて挙げるとすると,作曲の桜庭統氏です. 伝説のウルフチームにも所属していた方です. ナムコつながりで考えると,パックマンとゼビウスで,岩谷徹氏と遠藤雅伸氏も可能性があります. 純粋にゲームクリエーターという意味では,桜井政博氏や小島秀夫氏も可能性がありますが,現役ですのでまだ若いかもしれません.
最後に大穴です.国際的に評価が高いセガ人材も考えられます. そうなると,やはり旧AM2研の鈴木裕氏が有力です.GDCA(Game Developers Choice Awards)を受賞という意味では,ビブリボンの松浦雅也氏,セガの小玉理恵子氏にも可能性があります. あとは,政治力があるという意味では,襟川陽一(シブサワ・コウ)氏も可能性があります. このような予想は,概ね外れます.今年もゲーム関係者が受賞することを期待します.
(2022-05-08追記) この時点では,堀井雄二氏はGDCA生涯功労賞を受賞していませんでした.2022年は,堀井雄二氏がより有力になったと考えられます.
全く外れました.そもそも、ゲーム関係者の授賞はありませんでした.アニメーション関係者が1名受賞したので,アニメーション/ゲーム関係者で1名枠ということのようです. 2022年はゲーム関係者が受賞するとよいですね.
| 受賞年 | 受賞者(分野) | 代表作 |
|---|---|---|
| 2021 | 富野由悠季氏(アニメーション) | 機動戦士ガンダム |
ここ数年ビデオゲーム研究を趣味にしています.少し振り返ると,
- (1) 2018/2019年度は,ブックオフやハードオフを巡り,ビデオゲームを収集
- (2) 2020年度は,書籍やゲームマシン誌でビデオゲームの歴史を勉強
- (3) 2021年度は,Chip8やPyxelでビデオゲームを作成
という流れでした. 2022年度は,どういう方向に行くのがよいかを少し考えています.例えば,
- (1) コロナ禍も空けつつあるので,フィールドワークを多めにロケ巡り
- (2) 日本独自の文化として,パチンコやパチスロの歴史を記録
- 米国のピンボールに対し,日本独自のパチンコやパチスロという文脈
- 既存研究は影響論だけ(ギャンブル依存より脱却等)
- (3) 時事ネタとして,東欧のビデオゲーム事情を調査
- ポーランドでは,11 Bit Studiosというパブリッシャが有名
- 欧州ではアーケードゲームは規制対象なので,ゲーム機よりもPCを中心に発展(この事情は東欧も同じ)
- ゲームは文化的な背景が影響するため,それぞれの文化圏で独自の進化を遂げる
等が候補です.
ビデオゲーム🎮研究🎓として,2018年頃より書き溜めた文章と同時にTwitterに投稿したつぶやきを,内容的に分類して,時系列でまとめました📄. 文体も「ですます調」に整えて,読みやすく整形しました. 現時点で,理解困難な内容を含みますが,思考過程を追う意味でここに公開します.
「プレイ・マターズ 遊び心の哲学 (Playful Thinking)」という本を読んでいます. いわゆる北欧のゲームスタディに触れています. ビデオゲームという新しい遊びが出た時に,それぞれの文化的な背景で理解しようと試みたのだと思います. が,日本では,ビデオゲームを漫画やアニメの延長として理解したのに対して,北欧では,それまでの遊びの研究の延長として理解したのだと思います. この本は,そのくらい哲学的な深さがあります. 日本には,それほどの知識の積み上げはなかったのでしょう. ただ,日本のビデオゲームは,幸運なことに産業として大きな成功を収めました. その結果として,日本のゲーム研究は、産業論的なアプローチが多いです. それは,多くのビデオゲームを生み出した国の責任でしょうか.
| 受賞年 | 受賞者(分野) | 代表作 |
|---|---|---|
| 2022 | 受賞なし | - |
| 2023 | 里中満智子氏(漫画) | アリエスの乙女たち |
2023年の文化功労者が発表されてました. アニメゲーム枠(仮称)は,里中満智子先生でした. この前,都の美術館で,横尾忠則展を拝見したのですが,先生も文化功労者に選出されていました. 来年は,ゲームの順番(アニメ→漫画→ゲーム)なので,セガ関係者の受賞を期待します.
3/30芸大シンポジウムに,申し込みました.
藝大で,ゲーム保存のお話を聞きました.藝大でもゲームアーカイブスするらしいです.国立大では,初かなと思います. 民間の方が進んでいますので,エッジ効かせた収集にしないとという気がします.時間がなく,エムツーの話はきけませんでした. そもそも,遊びについての研究の基盤が日本にはないので,藝大では芸術から見たゲームという切り口なのかなと思います. 立命館大学とかでも,産業論的切り口が主流なので,総合芸術として,もしくは,美術と音楽に分解して,純粋に捉えるとかでしょうか. キュレイションも,ゲームの歴史でなく,美術や音楽として,を中心にした方がよいです. 藝大ならではでないと,毎日レトロゲームの写真をSNSにあげてる人と区別できなくなります.
(2025-12-14) 藝大で助教をされていて,画家の方の話として,「(伝統的な藝大の方々も,)なんで今更藝大に ビデオゲームの学科を作るんだ.デジタルハリウッド等の民間に任せればよいのではないか.」と感じていているようです. まあ,そうでしょうね.
米国strong博物館の話を聞いて,世界中に似たようなゲーム歴史の展示があることが分かりました. ドンキーコングの展示もありました.でもほとんどの歴史は失われて,忘れられるんでしょう. 以前,ビデオゲームの保存を考えるのであれば,人気があるのは買う必要ないと誰か言っていました. 人気がないものこそ貴重なのだそうです.私もひっそりと,そういうのを買っていこうと思います. 最後は,どこかに寄贈かなと考えています.世界中のゲーム博物館に,ドンキーコングはあるけど,ハレーズコメットは,絶対にないですし, スーパーマリオブラザーズはあるけど,トランスフォーマーはないです.歴史ってそういうことなんだろうと感じています.
ゲームクリエイターをクリエイトするの 3/30前半セッションを聴講しました.
- ①藝大アーカイブス着手.
- ②立命館大学での先行事例.
- ③米国strong博物館での遊び研究の中でのビデオゲーム保存・展示事例.
- ④欧州での散発的な事例とポジションニング整理,藝大として,どのポジションを目指すのか議論.
先週の藝大のシンポジウムで,最後に若い方が,ソーシャルゲームの復刻について質問していました. 司会の方が,ほぼ絶望的な現状について回答していました.が,Microsoftは,MuseというAIを開発していて,プレイ画面からモデルを再構築することを試みている模様です. 論文は印刷までしたが読んでないですが,失われる電子遊戯への儚い抵抗かもしれません.
私のように何もしなかった人が言うことではないですけど,「研究」って,目的とか手段とかがクリアになった時点で,ほぼほぼ終わりになったりする訳です. そういう意味では,そこら辺歩いている人に,「この研究は,実はこういう価値があるんですよ.」とかお話しできる時には,とっくに終結になっていたりします.
以上